新旧支部長が考える企業経営と同友会活動
同友会の3つの目的は、
「良い会社をつくろう」「良い経営者になろう」「良い経営環境をつくろう」です。
この「良い会社」「良い経営者」とは何でしょうか?
5月12日に行われた北勢支部総会の記念対談では
『新旧支部長が考える企業経営と同友会活動』をテーマに、
これまで4年間支部長を務められた長谷川シャッター工業(株)長谷川達智社長と
新たに支部長に就任された(株)三重フリット 森田耕平社長による対談が行われました。
「良い会社」「良い経営者」を定義する【長谷川】
まず長谷川社長が4年間の活動と方針を振り返り、当時の問題意識から「良い会社」「良い経営者」を次のように定義されました。
①「良い会社」:企業の自主的近代化と強靭な経営体質をつくる
・「自主的近代化」→イノベーション(新機軸・革新)のこと
・「強靭な経営体質」→従業員一人当たりの粗利額が業界平均以上であること
②「良い経営者」:中小企業家が自主的な努力によって、
経営者に要求される総合的な能力を身につける
・「自主的な努力」→積極的に学ぶこと
・「総合的な能力」→人間的魅力と戦略実力
以上の観点から、北勢支部では、会員企業がイノベーションを起こし、従業員一人当たりの業界平均以上の粗利額を生み出す経営体質を実現すること、そして会員が積極的な学びで、経営者に要求される人間的魅力と戦略実力を身につけることを目指して、4年間、学びの場と活動づくりに取り組んできたことをお話しいただきました。
苦手なことにもチャレンジすれば実を結ぶ【森田】
森田社長からは、長谷川社長から方針の説明を受けて自ら立候補し、
4年間での幹事・グループ長の経験を経ての学びと自社での実践が報告されました。
事業を継いでから、いろいろな方に教えや薫陶をもらいながら経営を続けてきましたが、
次のステージを目指すにあたり改めて自らの経営を振り返り、苦手であってもしっかりと
経営を基礎から学ぶ必要があると感じ、敢えてそうした環境に身を置くことを決意し、立候補されました。
1年目はランチェスター戦略を題材に経営の原理・原則を学ぶことでいっぱいでしたが、
2年目はグループ長を担い、例会企画を行う中で講師の話から戦略を分析する中で、
原理・原則に照らして理解できるよう成長できた実感を得ます。
さらに3年目には講演などでの話の聞き方を学び、自らの経営に活かし取り入れることも増えました。経営指針書の作成にも取り組み、社員との共通言語が定まってきたとお話しいただきました。
「勉強は苦手」とはいえ、いつまでも目を背けていてはいけないと、
決意をもって臨んだ森田社長のお話しからも基礎を学ぶことの大切さや苦手なことでも
しっかりと向き合い取り組むことが大切であり、成長につながることがわかります。
まとめ~原理・原則を知ることで学びと応用の幅が広がる
森田社長のお話を聞かれた長谷川社長は、経営の基礎知識を得たことで
講師のお話を応用するために分解して聞くことができたと森田社長の成長を評価され、
原理・原則を理解することでより深い学びができることを次のように説明されました。
同業の中で差別化を図るために、異業種から学ぶことはとても有効で効果的です。
しかし単に真似をするだけではうまくいかないことがほとんどです。
環境や条件が異なる異業種の事例から学び取るためには、一度原理・原則に照らして紐解き、それから自社に合わせて落とし込むことが大切です。
同友会ではこれを「変化球2回転ひねり」の学びと呼び、こうした学び方を学ぶ姿勢を重視し、脈々と受け継がれています。
今回の対談は、
・経営の原理・原則など基礎を学ぶことの大切さ
・そして原理・原則に置き換えて聞く力を繰り返し磨くことの大切さ
を改めて確認する機会となりました。
異業種が集まり相互に交流し、刺激し合いながら互いに学びあう場である同友会・北勢支部では、グループ会を中心に基礎の原理・原則を学ぶ活動が実施されています。
積極的に活用し、自社と自身の成長を図りましょう!!
参加者のお声
それでは最後に参加者のお声をご紹介します▽
本質の理解、それを踏まえた学び・刺激を得ることの重要性を感じました。事業がうまくいかなかった時、原理・原則(顧客を目一苦にする)に立ち戻ることによって収益が回復した経験があります。原理・原則はシンプルで、あとは「それをどれだけ突き詰めることができるか」が大切だと思っています。(40代・中小企業診断士)
基本に戻る(経営は色々な環境の中で、常に変化していかなければいけないと思うが、応用ばかりではいきずまることがあります。そんな時は、⼀度基本に戻る!!(40代・建設業)
長谷川前支部長のお話を聞いて、改めて原理・原則の意味が分かった気がします。新たなチャレンジやイノベーションを起こそうと思っても原理・原則だけは見失わないように注意が必要です。社員の中でもその本質が共有できていれば社員自身も自立して考えられることに気づかされました。また本質を社員と共有するツールこそが経営指針書であると思います。成文化することがゴールではなく、経営者と社員との想いが一つになるのがゴールと思い、常にブラッシュアップに努めたいと思います。最近の好きな言葉が「本質を見極める」だったので、今日は革新に変わりました。(40代・金属製品製造業)
たくさんのご参加ありがとうございました!!今回の学びを実践に活かしていきましょう(^^)/
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